雷雨

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雷雨

かみなり は 神鳴り とも云うならば 天使よりかは 神なのか いや どうか 柔く微笑むばかりでは 優美だけが能ではない と 猛る姿もありえよう 神に成ろうと挑んだものの 落ちた命の光やも 己が内に潜めし 烈しさも 積もる怒りや理不尽さ 想うがこその慟哭も 総てが弾け 入り乱れ 心のままに曝け出し 光 雨 雲 風さえも どうしてよいかわからずに ただ のたうって 掻き毟る 人も天使も相変わらぬ この世はかくも 生きにくい 苦しみ 足掻き でも生きる 天も地も海も みな 同じ
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