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次の日も森先生は、何事もなかったみたいにいつもの森先生で──…。
「おはよう高橋さん。回診に行こう」
「……はい」
私だけがモヤモヤしている。
「山田さん、体調はいかがですか?」
「いいわ。今日は孫がお見舞いに来てくれるの」
「よかったですね。高橋さん、血圧測ってくれる?」
「はい。山田さん、血圧計を巻いていきますね〜」
(……待てよ?もしかしたら私たち、もう付き合ってるとか?暗黙の了解で恋人同士になっちゃってるとか?大人なんだから、言わなくても分かるだろ?みたいな──…?)
「それにしても森先生、本当にハンサムねえ。いつも見惚れちゃうわ。あ、こんなこと言ったらガールフレンドに怒られちゃうかしら」
「あいにく、ガールフレンドはおりません」
「あらそうなの?もったいないわあ」
(……なわけないか)
「ワンナイトラブってやつか」
行きつけの居酒屋で、沙織に昨晩のことを話した。
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