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カチッ
電気のついていない薄暗い部屋に、ライターをつける音が響いた。ふわっとただようタバコの香り──…。森先生が上半身裸のまま、ソファに座ってタバコを吸っている。
「タバコ吸うんだ……」
(しまった。意外すぎて思わず心の声が……)
「あ、うん。ごめん平気?」
「あー全然!」
「よかった」
ふうっと、煙を吐く森先生。
夢みたいだ。
あの森先生と、体を重ねた。
「明日も出勤だよね?そろそろ帰った方がいいね。送ってく?」
「え……あ、大丈夫です。まだ電車もあるんで」
「そっか。じゃあ気を付けてね」
いつもの優しくて穏やかな笑顔。
なのに気のせいかな。
なんか、冷たい。
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