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「Θεϊκή λάμψη」
彼女が叫ぶと、瞬間、周囲の空気が震え、彼女の手の中に剣が現れた。
それは光の刃を持ち、周囲を明るく照らす存在だった。
ガブリエルは剣を一振りすると、刃は空を切り裂き、敵の群れに向かって飛翔した。光の剣は、敵の影を貫通し、一瞬のうちに彼らを消し去っていく。
「私に宣戦布告したこと後悔させてやる」
ガブリエルは次々と剣を生み出し、それぞれが鮮やかに輝きながら敵に向かって放たれていく。彼女の周りには、光の閃光が舞い、敵の動きを阻む壁となっていた。
しかし、敵の数は多い。彼女は瞬時に判断し、羽を広げる。
彼女の攻撃をかわす動きは流れる水のように滑らかで、空気を切る音さえも心地よいメロディのように響いた。
敵の攻撃が彼女のすぐそばを通り過ぎるが、ガブリエルはまるで風に舞う花びらのように軽やかにかわす。
羽根が一閃するたび、周囲に光の軌跡が描かれ、彼女の存在はより一層神秘的に輝いた。
空中から、彼女は見下ろす。敵の姿が見え、再び光の剣を召喚する。今度は、真っ直ぐに降下しながら一刀のもとに敵の中心を突き刺す。剣が敵を貫くと、その瞬間、まばゆい光が広がり、周囲の闇を一掃する。
そして、ゆっくりと降りてきたガブリエルは、一人の手下のもとに近づいていった。
「お前だけは、生かしておいてやる。そして、帰ったらラファエルにこう伝えよ。
『ミカサと私を引き裂こうとするやつは私が許さない。殺.したいなら、自分が来い。』と。
そして、この私との戦いを事細かく伝えるといい。」
声は淡々として穏やかだった。脅すつもりはない。嘆かせたいわけでもない。当たり前のことを当たり前に告げるのに、余計な感情は不要だろう。
さながら日常の会話をするように、天使の声は凪いでいた。
男は無言だった。唖然とした目が、天使の顔を映して瞬く。
天使もまた、無言で彼の返事を待っていた。凪いだ心で目を細め—————
恐らくは、笑みに似た表情を浮かべながら。
男は沈黙したまま、呼吸さえも止めているように思えた。
顔に浮かぶのは、今にもひれ伏しかねない畏れと崇敬だ。
神に次ぐ「天使」という存在。その中でも、三大天使であるガブリエルを前に、使者天使らしい怯えを宿しながら、男は震える唇を動かし———、
「 Θα κάνω ό,τι ζητάς, με όλη μου την καρδιά. Γαβριήλ. 」
(承りました、仰せのままに。ガブリエル様。)
様子を見ていたミカサさえもが、畏敬に震え上がっていることに、ガブリエルは気づいていなかった。
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