7人が本棚に入れています
本棚に追加
気付き
「そうか…、
これは何度目?」
ミカサがどこを向いているのか分からないような虚ろな目で囁いた。
その言葉にガブリエルは目を見開いた。
「もう忘れたくないって思ったはずなのに、思い出せたのは最期か…。」
「前回は…えーと、僕が君の思いに気づかなくて、僕が自然と死んでしまうまで、君は隣にいたね…。あのときもこうやって泣いてくれた……。
…ほんとうにごめん。 」
ガブリエルはゆっくりと首を横に振る。
彼はガブリエルを見て微笑み、目に涙を浮かべながら続ける。
「あのさ…、僕の運命(さだめ)ってさ…、君を悲しませること…じゃないよね? あのね、本当に僕は君を愛してるんだよ…。このループ始まる前、ほんっとうの最初から。ずっっっっとね…!!」
「知ってる…。もう喋らないで…、まだ助かるかも…、
ねぇってばっ!!!!!そうやっていっつも私ばっかりおいていく…!!!」
「ごめん、……本当に、これが最後のループだといいな。僕はまたきっと生まれ変わって、君に会える日を待ってる。だから、お願いだ、次こそは一緒に幸せになろう。君には、その価値があるから。」
その言葉と共に、ミカサは力なく微笑みながら目を閉じる。
ガブリエルは彼の体を抱きしめることしか出来なかった———。
最初のコメントを投稿しよう!