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ボクは、俺は、私は、アタシは、愛され方を知らずに育った。
愛されたかった。
愛されたかった。けれど、出来なかった。
ゆえに、ボクは、俺は、私は、アタシは、いずれも人を愛せぬだろう。
誰かを、ましてや独りの赤ん坊でさえも、そのくしゃくしゃとなった泣き顔を見れば不快に思い、腹立たしく思う。
助けを求める泣き声も、人のぬくもりを求める小さな手にさえも嫌悪する。
そして、自分が赤ん坊さえも愛せぬ事実を思い知らされて強く恥じるのだ。
そのうち、自分がああはなりたくないと思っていた存在を知らず知らずの内に模倣するだろう。
怒鳴り、拳を振るい、悲劇の舞台にあがった自分に酔い続ける。
そのように育つ素材は、幼少の頃から蓄積されて無事全てが揃ってしまっている。
はたしてそう育つのはボクが、俺が、私が、アタシが悪いのだろうか?
静かで暗い部屋。
まどろみの中で、ふと己に問うのだ。
この種を撒いた者は誰か。
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