2.美形の海竜殿下に拾われました

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2.美形の海竜殿下に拾われました

 メリーウェザーはふっと目を覚ました。  そしてハッとした。 「あれ? 目が覚めたって何? 私、海に沈められて死んだのでは?」  慌ててメリーウェザーは周りを見回す。そこは見知らぬ部屋だった。 「部屋ってどういうこと? でも公営の病院ってわけでもなさそうだし?」  それなりに贅沢に(しつら)えてある部屋なので、病院のような雰囲気ではなかった。  メリーウェザーはかなり混乱した。  そして、そういえばと気づいてパッと自分の手を確認した。  海に落とされたとき、崖にしがみつこうとして肉がずる()けになったはず……。血まみれだったはずよ。  指先には清潔な包帯が巻かれていた。 「あ、やっぱり。包帯が巻かれているということは怪我をしているってことよね。じゃあ、たぶん海に落とされたといういのは夢じゃないわね」  しかし、どうも指の感覚が乏しいから、痛み止めの麻酔かなにか打ってあるのかもしれない。  わざわざ傷の手当てをしてくれているということは、ここは天国ってわけではなさそう。  海に落とされた。そして誰かが助けてくれた。  いったい誰が? っていうか、あれだけ肺に水が入った状態で、よく私助かったな!?  すると部屋を軽くノックする音が聞こえ、人が入ってきた。 「気が付いたか?」  メリーウェザーは入ってきた人をばっと見た。そして目を見張った。
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