198人が本棚に入れています
本棚に追加
2.美形の海竜殿下に拾われました
メリーウェザーはふっと目を覚ました。
そしてハッとした。
「あれ? 目が覚めたって何? 私、海に沈められて死んだのでは?」
慌ててメリーウェザーは周りを見回す。そこは見知らぬ部屋だった。
「部屋ってどういうこと? でも公営の病院ってわけでもなさそうだし?」
それなりに贅沢に設えてある部屋なので、病院のような雰囲気ではなかった。
メリーウェザーはかなり混乱した。
そして、そういえばと気づいてパッと自分の手を確認した。
海に落とされたとき、崖にしがみつこうとして肉がずる剥けになったはず……。血まみれだったはずよ。
指先には清潔な包帯が巻かれていた。
「あ、やっぱり。包帯が巻かれているということは怪我をしているってことよね。じゃあ、たぶん海に落とされたといういのは夢じゃないわね」
しかし、どうも指の感覚が乏しいから、痛み止めの麻酔かなにか打ってあるのかもしれない。
わざわざ傷の手当てをしてくれているということは、ここは天国ってわけではなさそう。
海に落とされた。そして誰かが助けてくれた。
いったい誰が? っていうか、あれだけ肺に水が入った状態で、よく私助かったな!?
すると部屋を軽くノックする音が聞こえ、人が入ってきた。
「気が付いたか?」
メリーウェザーは入ってきた人をばっと見た。そして目を見張った。
最初のコメントを投稿しよう!