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10月26日
慎ましやかに輝く星の下、本を読んでいた。机の上には、本の山が広がっている。しんとした風が吹き、本の端を揺らす。ページをめくろうとした時、床が微かに揺れた。
「春樹〜ご飯だよ」
1階から、母親の声が、扉越しに聞こえる。春樹は思わずため息をつき、惜しむように本を閉じた。母親の声を無視できず、星空の静けさが後を押すように、春樹は席を立った。
10月27日
空気は冴え渡っていた。防寒具越しでも、ひんやりと肌に溶ける風。優希は、帽子を深く被った。息を潜むように、朝に隠れているコスモス畑。隣の人が、時計を確認した瞬間、周囲から、
感嘆の声が溢れた。朝日の虹彩が辺り一面に広がる。静かに佇んでいたコスモスは、おはようと微笑んだ。
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