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相馬の背筋は、背中に定規をあてがったかのようにぴんと伸びている。きりりと引き締まった表情に、鋭い眼光。黒い髪は短く刈り上げている。大雅よりも頭ひとつぶん高い上背に、がっしりとした体格。シャツを着ていると幾分着痩せしているようにみえるが、大雅がタックルをした程度ではびくともしない、強靱な体幹の持ち主だった。
大雅は通っていた高校を退学になった。理由は至極単純、校内で暴力事件を起こしたからだ。
「大雅、この道場以外でのお前の生活に関しては、俺の知ったことではないが、今回の件で痛感しただろう。意味のない暴力は、己を破滅させると」
大雅に関する処分の一報を聞いたとき、相馬はすぐに彼を呼び寄せ、こう説いた。着ていても身分を証明するものではなくなった学生服に身を包んだまま、大雅は黙って相馬の説教を聞いていた。目尻の下が切れて、血のかたまりが目立っている。頬や唇のまわりにも痣ができており、一目見ただけで誰かに殴られたとわかる状態だった。
「意味のない暴力なんかじゃありません!」
「だが、お前の周りの人々はそう捉えた。違うか?」
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