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山本は少年をいなすように腕をふると、二人を連れてさらに奥へと進んでいった。
フロアに喧騒が響いているのは、ひとつの部屋で様々な年齢の少年たちが過ごしているからだった。学校の廊下のような通路の左手に、教室を三つほどくっつけたような大きな部屋があり、十数人の少年たちが思い思いのひとときを過ごしている。
皆、大雅と同じようにシャツとジャージを着ていて、下は小学生から上はおそらく高校生まで、それぞれのグループに分かれていた。
「大雅、ここはおまえと同じようになんらかの事情で保護されている子供たちばかりだ。ここにいるのは男子だけだが、別の場所には女子もいる。だけどここは男女別で生活をしているから、女子に会うことはない」
大雅が部屋に入ると、中にいた少年たちのすべての視線が否応なしに突き刺さってきた。
「新人!?」「新入りじゃん!」
もはや囁くこともなく、少年たちは一様に大雅を指差し、喚き合っている。
「おー! みんな聞けー!」
山本はそう言ったあと、大雅にこっそり耳打ちをした。「あいつらに自己紹介を頼む」
(は……?)
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