ぽん太広場の君へ

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 早速図書館で砂糖に関する本を借りまくった。そして金曜、誠也君に読み――始めてすぐ。 「サトウキビ? 何それ」 「あ、サトウキビもない、のか」  いきなり躓いた。  けれどここで終わりたくない。家に帰り、あたしは全ての本を熟読し直した。  ――バイオ燃料?  サトウキビには砂糖以外の用途もあるらしい。燃料としてなら誠也君の世界にもあるかも!  次の金曜、勇んでそれを伝え、その次の金曜に誠也君の返事が。 「似たのがあったよ! 車の燃料の一つ、バイオエタノールの原料の植物!」  やった! 先に進める。あたしは栽培の仕方を丸々読み上げた。 「日当たりと水はけのいいところに完熟堆肥と石灰を撒き、深さ30~40センチまで耕して平らに、その後植え溝を作り芽が横になるように苗を植え……」 「かんじゅくたいひ? うえみぞ? めがよこ?」 「肥料だよ。で、植えるところをこんな風に窪ませて芽は苗にくっついてるからこう……」 「こんな風って? こうって?」 「ええいっ、わかってよ!」 「わかんないよ!」  せっかく一歩進んだと思ったのに、また一時停止。
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