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あの夜の出会いは、あまし、君がくれたのか?
透子ちゃんと一緒に......。
涙があふれてきた。
「おとーさん、どうしたの?」
救が不安気に俺を見上げてくる。
玄関で待っていた真由も心配そうにしている。
「泣きたいくらいに嬉しいときもあるんだよ」
真由は笑ったが、救は「よくわかんなーい」と、言った。
「わかるようになるまで生きてくれ」
どうか、どうかと、願った。
そうして俺たちはドアを開けた。
今日も誰かが泣いたり笑ったりしている。
奇跡の連続の世界で生きていくために。
――完――
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