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「だって。あんまりたくさん溜め込んだら。
飼い主さん、また病気になっちゃうかも知れないし。
ルカはどおしたの?タイはお留守番?」
「まあ。オレらも同ンなじや。
かてーほーかいの危機を救ったんやで」
「へえ?それはすごいわね」
「話聞かせたるワ」
この動物病院は、設備も新しくて評判も良い。
だから平日でも待合室は混雑していて。
飼い主同士は、時間潰しのお喋りで盛り上がっているし。
患者達も。お喋りで気を紛らわす。
「2番目の息子が色気付きよって。
大学生の姉ちゃんが風呂入っとおトコ、覗いとるんや。
洗面所で、手え洗たり。歯磨き何回もしよって。
タイは姉ちゃんのコト気に入っとおんで。
許せん!て怒ってもおて。
姉ちゃんと母ちゃんの入浴時間を、逆にしたったんや。
そんで、息子。
母ちゃんのヌード見て。目ぇ覚めたみたいでな。
家庭内に平和が戻って、一件落着や」
ルカは、ふふんにゃん!とドヤ顔だ。
「ルカのお家のお母さんて。確か…」
「せや。
お餅みたいにぷよぷよしとって。
お腹ン上乗ると、めっちゃ気持ちエエねん」
「そおなの…。
トラウマにならないと良いわねえ」
「ニンゲンやで?
虎にも馬にも成れへんで?」
「まあ。確かにそおね」
まる子は、にゃにゃんと笑う。
逆にルカは急にげんなりとした様子で丸くなる。
「大丈夫?」
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