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「俺…美香に謝らないといけない事がある。」
薫くんはソファーに座るあたしの前の床に腰を降ろして、あたしを見上げながらぎゅっ、と強く手を握りしめた。
「謝ること…?薫くん、どうしたの?」
「…美香、今日どこにいた?」
「…っえ、?」
「元彼と会って来たんだろ?」
どうして、薫くんが知ってるの?
驚くあたしに、薫くんは優しく笑いながら、
あたしの手を握る力を少しだけ、でも、痛くないくらいに強めた。
「…ごめん、この前、美香のスマホ…見た」
「……薫くん、」
「ほんとにごめん!!…言い訳にしかならないけど、付き合ってから自分が美香にハマってくのが自分でもわかってた。…それで、美香が元彼との事に何か、あるんじゃねぇかって勝手に疑って嫉妬して、美香を抱いた後に…スマホを見た。」
「……」
「…ごめんな、俺、キモいよな。自分でわかってる。」
「…薫くん、」
「悪かった!もうしねぇ、…だから、俺の事、捨てるなんて言わないでくれ」
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