恋の魔法

3/9
前へ
/153ページ
次へ
「俺…美香に謝らないといけない事がある。」 薫くんはソファーに座るあたしの前の床に腰を降ろして、あたしを見上げながらぎゅっ、と強く手を握りしめた。 「謝ること…?薫くん、どうしたの?」 「…美香、今日どこにいた?」 「…っえ、?」 「元彼と会って来たんだろ?」 どうして、薫くんが知ってるの? 驚くあたしに、薫くんは優しく笑いながら、 あたしの手を握る力を少しだけ、でも、痛くないくらいに強めた。 「…ごめん、この前、美香のスマホ…見た」 「……薫くん、」 「ほんとにごめん!!…言い訳にしかならないけど、付き合ってから自分が美香にハマってくのが自分でもわかってた。…それで、美香が元彼との事に何か、あるんじゃねぇかって勝手に疑って嫉妬して、美香を抱いた後に…スマホを見た。」 「……」 「…ごめんな、俺、キモいよな。自分でわかってる。」 「…薫くん、」 「悪かった!もうしねぇ、…だから、俺の事、捨てるなんて言わないでくれ」
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加