恋の魔法

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あたしの手を握りしめたまま、下を向き項垂れる薫くん。 「薫くん、こっち見て?」 あたしの呼び掛けにゆっくり顔を上げた薫くんの唇に優しくキスを送る。 「…美香っ」 「謝らないで?あたしも何も言わずに勝手してごめんね?でも、もう高杉の事は解決したから安心して?もう、二人きりで会うこともないよ?」 「…ごめん、」 「いいの。これからだっていくらでも、見て?それで安心するならあたしは何も気にしないよ」 「…強引に抱いたのも、悪かった。痛かったよな?…もう、あんなのはしない」 「うん、いっぱい優しくしてね?」 ソファーから降りて、薫くんの膝に跨がるように座る。そして胸元に耳を寄せ薫くんの鼓動が聞こえるように抱き付いた。 「スマホなんて、見られても困らないの。だから、もう…謝らないで?」
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