美香のヤキモチ♡

2/10
前へ
/131ページ
次へ
「なんだよ、寝ねぇの?」 洗面所から出てこないあたしを不思議に思い、振り返る薫くん。 あたしは、にっこり笑顔を見せて、告げる。 「今日はもう少し、スキンケア頑張りたいから先にベッドで待っててください?すぐに行きます」 「…ここで待ってるけど?」 「乙女の裏側は企業秘密ですよ、薫くん?」 「あーそー?なら、早くしろよ?」 ちゅっ、と触れるだけの口付けをあたしに送って薫くんは寝室へ向かった。 扉が完全に閉まるのを脱衣場の入り口から 確認して急いで棚の中に隠してあるピンクの袋を取り出し、パジャマを脱いでそれを身に付ける。 実はこれ、天音と麗とお揃いでつい最近買ったものなんだけど、こんなに早く使う事になるとは。 あたしはあんまり抵抗ないけど、あの二人はかなり嫌がってたな。 二人とも、スタイル良いし何も気にしないでいいのに、何が嫌だったんだろう? あっ、いけない!今はそんな事考えてる場合じゃないんだった! パジャマを元通りに着て、脱衣場の鏡の前に立つ自分と目が合う。 にやり、と悪どい笑みを浮かべるあたし。 …こんな顔は薫くんには見せられないな。 だって、薫くんの前でのあたしは、可愛い乙女なんだから。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加