国王様の秘蜜の関係

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地下に着けば松明の明かりがあり、ランタンの明かりが消し重い鉄の扉の前に騎士が二人居て、私を見て鉄の扉を開けてゆく。重く鈍い音を立てながら無機質な鉄の扉はゆっくりと口を開けて私を招き入れた。 そのまま中へ入れば中にも扉を守る騎士が居て、労をねぎらってから他の囚人に目もくれず最奥の牢獄へ向かいその前で歩みを止めた。 そこには褐色肌にグレーの髪をした金色の瞳の青年が鎖で繋がれて居て、ボロボロの服を身にまとい拷問を受けたのか傷だらけになっていたが私を睨むでもなく真っ直ぐ見つめてきている。これが一瞬でもルイスを追い詰めた若き騎士団長か。 鉄格子にゆっくり触れながら彼を見つめれば、彼はやはり真っ直ぐ私の目を見つめてきている。ゆっくり目を細められ、鍵穴を見つめていれば走ってくる足音がして振り向けばルイスに腕を掴まれた。 「何考えてんだよ一人で会いに来るなんて!」 「どうせ出られやしない。お前で試した牢獄だからな」 「うぐっ!そりゃそうだけど…だからって一人で会いに来るような男じゃないだろ…」 「ルイスも認める男…という事か。出るぞルイス…もちろん一人で行かせないだろう?」 「うっわやな事考えてる顔してる」 笑みを浮かべてルイスを見れば、あからさまに嫌そうな顔をしているが構わずこの場を後にして歩き始めた。
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