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地上へ出ればセシルが窓から外を見て居たが、音で気付いたのか振り向いてこちらへ歩み寄ってきた。相変わらず年に似合わず艶やかな青年だ…
「心配したんですよ!?ルイスもシャルル様が一人で会いに行ったって聞いて飛んで行くし…でも俺はここで待つように言われたからついていけないし…」
口を開けば愛らしい雰囲気のが勝るのだが、この青年がルイスの妻となった人で左手薬指には指輪が輝いている。ルイスは手袋をしていてあまりわからないのだが。
「ただいまセシル」
「んっ、おかえりなさい…」
ルイスは腰を抱き寄せ唇を重ねてゆき、セシルは受け入れながら首に手を回してゆく。最初に見た頃より女性らしさが増してきたのは、ルイスに抱かれ続けた結果なのかもしれないななんて柄にもなく考えてしまう。
「すまないセシル。しばらく留守にするからこの国の事任せて良いか?」
「え?う、嘘ですよね!?俺なんてただの村人だったような男ですよ!?国なんて背負うのなんて無理です!」
「そうだそうだお前の護衛でヴァルデハリスなんか行けるかよ」
ルイスの腕の中で慌てていたが、ルイスはぶーぶーと文句を言ってくる。
「うぅ…そこに行くという事は大切な事なのですよね…頑張ります」
「俺はやだ」
「ちゃんとシャルル様護衛出来たらどんな服でも着てあげるのに?」
「ほら行くぞシャル!もたもたしてんなよ!」
セシルの言葉で早速足早に歩き始め、単純な男めと思いながらセシルに感謝を述べてからルイスに続いて歩いて行く。
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