僕の恋人たち

1.きっかけは◯ンドーム

勉強ばかりでもいいじゃないか。
そう思って生きてきた。
物心ついた頃から
憧れの学校への入学を目指し
一心不乱に頑張ってきたが、
今年の春、とうとう結論が出てしまった。
最難関の中高一貫校、私立K学園に落ち、
郊外の私立S高に身を置くことになった。
中学受験、そして高校受験でも
Kの高い壁に阻まれ、突破できなかった。
自分の本番への弱さ、
そして運のなさを嘆きたくなる。
陰キャを絵に描いたような地味な容姿、
友達のひとりも作ることができず、
もちろん恋人がいたこともない。
努力なんて報われない。
どうせ僕の人生なんて
と失意のうちに入学式の時間に合わせて
母と電車に乗り込んだ。