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「結局、僕たちは付き合ってるのでと
嘘をついて先輩から免れることができた。
でも仲良くなり過ぎてセフレになった」
「とりあえず、事情はわかった‥‥
わかったけど、何故僕に近づいてきた?
そのまま付き合っちゃえばよかったのに」
僕の言葉を聞いた川瀬は苦笑いし、
佐橋が天を仰ぐ。
「そうならなかった理由は俺たちも知りたい」
「どういうこと?」
「中2の秋からセフレになって、親友やって。
恋愛感情は自覚できないけど、一緒にいて
すごく心地良くて。悪くないね、そうだね
って佐橋と言い合ってたのに‥‥
2月に状況が変わった」
「2月?!」
「俺たち、葵と入試の教室が一緒で。
一目惚れしたんだ、佐橋も俺も。
あの子は何者だ?って話し合った。
今まで自覚できなかった恋愛感情が
芽生えたんだ。ここが第一志望かな、
また会えるかなって。そしたら、
同じクラスの出席番号が見事に並んだ。
◯ンドームを落としたのはたまたま
だけど、テンション上がったからかも
知れない」
「そうだったんだ‥‥」
彼らの告白にときめいていた。
僕だって恋しているんだと伝えたかった。
でも次の佐橋の言葉で、
その気持ちは瞬時に凍りついた。
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