4.ドールの嘆き

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「僕と川瀬は、絶対に別れられない。 どんなに葵ちゃんが頑張っても、ね」 午後の授業開始の予鈴が鳴り、 川瀬が立ち上がる。 「戻ろう」 佐橋も立ち上がり、川瀬に寄り添った。 僕は立ち上がることができず、 2人を呆然と見つめる。 入学早々、腑抜けにされた挙句、 捨てられた気分を味わっていた。 僕は人形じゃない、 声を上げそうになるのを必死で堪えたら、 涙が溢れた。
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