第2話 助手席のアン

1/4
前へ
/11ページ
次へ

第2話 助手席のアン

     アメリカは車社会というイメージなのは、僕の住んでいるのが田舎街だからだろうか。アメリカはまさに『合衆国』であり、その地域ごとに全く様相が違ってくるのだ。  僕のところは市内に電車がなく、休日になるとバスの本数も激減。だから自家用車がないと買い物にも困るほど。  渡米して最初の半年間、車を購入してアメリカの免許を取るまでは、不自由も多い生活だった。  当時、世話になった方々に礼を述べると、 「こういうのは持ち回りだからね。ケンが車を手に入れた後、今度は誰かを助ける側になればいいんだよ」  と言われたものだ。  そして実際、僕の一年後に研究所へ来たアンを、僕が世話する形になっていた。    
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加