第六話:●●向けボイスドラマのお仕事

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「開発環境の動作チェックのために、検証用のスマホ端末を借りたいです。受付はここだと聞いたのですが合ってますか?」 「はーい! 合ってます! 何台必要でしょうか?」  すかさずしいなちゃんが間に入ってくれた。 「20台ほどあると助かります」 「少々お待ちください!」  しいなちゃんは端末を管理しているキャビネットの鍵をあけて台数を数えていた。   「あの、全てiOSでしょうか……? 検証用でしたらAndroidも必要ですよね」  恐る恐る、私は乾社長に尋ねる。   「そうですね。挙動を確認したいのでOSの異なる端末をお借りしたいです」 「も、申し訳ありません。現在別チームに貸し出し中なのでここには数台しかなく……」 「あ、ほんとだ。今あるのは全てiPhoneのみです」  しいなちゃんがキャビネットから顔を覗かせこちらを見た。 「他にAndroidの在庫がないか確認して、後ほどこちらから部署までお持ちいたしますがお急ぎでしょうか……?」 「……」  こわぁぁぁ……めちゃくちゃ睨まれている。
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