第十一話:隆子との再会

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「……こんな僅かな金額じゃないだろう」 「兄貴もそう思うだろう?銀行に勤めているから、なおさらそう思うよな」 二人は、大きな声を上げている。 「……ただいま!二人とも、どうなさったの?新聞を読んでいるみたいだけど」 ひゐろは匡をあやしながら、二人の会話に入り込んだ。 すると、三吉がこう答えた。 「所得税法改正後の富豪の納税額が、関東日日新聞に載っていたんだよ。一位である大富豪の岩本家の納税額から、総資産の概算を割り出すと五千萬圓程度になるという話だよ。そんなはずないだろうと、兄貴と話しているのさ」
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