雨さん

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雨さん

いつも元気いっぱいのニッコニコ…だったはずの太陽さんが、分厚い雲に覆われました。 (くも)りさんと、天気を交代したわけでは無いのに、です。 空は、今にも雨が降り出しそうなほど、分厚い雲でいっぱいです。 曇りの感情を手に入れた太陽さんは、今日もずっと、彼の窓を、ひたすら見つめ続けます。 やはり今日も、彼がカーテンを開けてくれる事はありませんでした。 そしてとうとう、太陽さんは一滴(いってき)のシズクをこぼしたのです。 "ボクがどんなに元気でも、キラキラ照らしても、君が笑ってくれなくちゃ意味ないよ…" そう、ポツリと呟いて、やがて、一滴のシズクは、ポツ、ポツ、ポツポツ…と、小雨へと姿を変えていきました。 そして、ザーザーザー…と、激しい音を立てて、街を雨一色に染めてしまいました。 太陽さんの中に、雨、という"悲しみ"が芽生えた瞬間でした。
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