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ザーザーザー…ッ!! 激しい音を立てて降り続ける雨。 彼は、そんな雨音を心地良さそうに、目を瞑りながら、聴いています。 雨さんと(くも)りさんは、彼の微笑みを、見逃しませんでした。 雨さんと曇りさんは、大泣きしている太陽さんに、"彼が笑った!"と、声をそろえて言いました。 すると、太陽さんは、顔を上げ、雨さんと曇りさんの方に振り返ります。 雨さんと曇りさんは、ニッコリ笑いながら、いつもカーテンが締め切られているその窓を、指さしました。 太陽さんは、首を傾げながら、2人の指差す方向へと目を向けます。 すると、どうでしょう? カーテンが開かれた窓際で、心地良さそうに雨音を聴く彼の姿が、そこにはありました。 太陽さんは、思わず目を大きく開いて、ぱちくりさせます。 夢か?と疑う太陽さんに、雨さんと曇りさんが、左右から同時に、頬を思い切りつねったのです。
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