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「すみません、田中さんは課長からの信頼も厚く、色々と書類の管理も任せられているようですので、田中さんが預かっていらっしゃるのではと。大丈夫です。早急にいただきに上がります。ところでコースターのキャラの件ですが、髪色は何色でしたか?」
矢継ぎ早に話して核心に迫る。
お局田中は、まんざらでもない様子で、え? そう? もしかして私たち最高のバディに見える? やだあ、お似合いだなんて、そんなハッキリ言わないで〜〜
なんて、ホクホクしながら、
「ピンクだったよ」
りょ。
ファイブレのリーダー頭脳明晰カナエくんだね。ってことは、レンジくんのコースターは、坂崎課長がゲットしたやつってことか。
『「ごめんね、これ集めてるから」』
真相を知りたい。そう思ってから2日後、さるなる課長の不自然な行動を目撃することとなる。
*
朝、出勤したら天と地がひっくり返った。
鞄をしまい、ネームプレートを取ろうと引き出しを開けたら、なんとそこにレンジくんのコースターが。
ある。
は?
どゆこと?
私は状況を把握するのに、30秒ほどの時間を要した。
これって。コラボカフェでしか獲得できない、いやコラボカフェでも、ファイブレの人数からいっても1/5の確率、いや運が悪ければさらに倍、倍!! の難関で、まあ手に入らないレンジくんのコースター!
目があ!
目があぁぁあ!!(2回目)
あまりの驚きに、私はびくうっと震えてしまった。
それほどの衝撃波が、私のデスクの引き出しから発せられた。
どんっ!! どんっ!!
繰り返されるかめはめハ〜に、私は恐れ慄いてしまった。
これはアイツだ。アイツしかおるまい。
私は、坂崎課長の方へと、そろり視線を泳がす。
なぜ、私にこれを?
まさか領収書の申請とか諸々、良きにはからえ的な?
水増し請求しろと?
うん、違うな。
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