第一話 サキュバス童貞を食う (3)(過激表現あり)

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第一話 サキュバス童貞を食う (3)(過激表現あり)

「つうか、この状況で勃つのか?俺…」  目下には、きわどいサキュバスの格好をした息も絶え絶えの美青年。  このシュールな状況にリカルドは挫けそうな自分を鼓舞して、とにかく目の前の青年を助けねば、と履いていたチノパンごとパンツを勢いよく下ろす。  体に見合った大きさのペニスがボロンと頭を下げて飛び出る。  さすがに見られてるのは恥ずかしくてリカルドはノクスに背を向けてそれを握る。  何とか勃起させないと、と小刻みに手を動かしてみるが、やはりこの状況ではなかなかそれが勃つ気配はない。  なにかオカズを用意するべきか、とリカルドが思案しているとその背中にノクスの消えそうな声がかかる。   「私が舐めて勃たせてやる……。そいつを私の口元によこせ………」 「……マジか…死にかけてんのに大丈夫かよ?」 「…ふん、私は上級サキュバス…だぞ……貴様のへなちょこチンポごとき、あっという間に勃たせてやる……」 「へなちょこって失礼だな…」  しかしそんな減らず口を叩けるなら、今すぐ死ぬことはなさそうだとリカルドは少し安心する。  このままでは時間がかかりそうだし、精液を欲している当人がそう言うのだから任せるのがいいのかもしれない。  こんな状況は初めてで、リカルドはちょっと恥ずかしがりつつも、言われた通りノクスの口元まで股間を寄せる。  ノクスの荒い息がペニスにかかり、その先をチロリとピンクの舌で舐める。 「うっ…」  その刺激にリカルドが身を震わせる。  チロチロと力なく先端を舐める様子は子猫がミルクを嘗めてるようで可愛らしいが、出し入れされるピンクの舌がエロティックで、リカルドの下腹の中にムラムラと熱が集まってくる。  亀頭に優しくチュッとキスした後、ノクスは竿の裏に舌を這わせる。  その下の双球を唇で優しく食むと、パクリと口の中に収め、飴玉のように舌で転がす。  その官能的なビジュアルと舌による快感にリカルドの陰茎はだんだんと硬直していき頭を持ち上げていく。  「…ふふっ、元気になったじゃないか……」  満足そうに妖艶に笑うとノクスはその先端をぱくりと口に収める。  小さな口がリカルドの大きな陰茎の形に広がりゆるゆると前後に動かす。  その口内はぬるぬると暖かく、その中でノクスの舌が亀頭をあらゆる角度から嘗めあげる。 「ぐうっ…!」  その気持ちよさにリカルドは危うくイってしまいそうなのを下腹に力を入れてぐっとこらえる。    いや、この際さっさとイった方がいいのか。  でもさすがに早すぎるのは格好がつかない。  実はリカルドにとってこれが初めてのフェラチオだった。  オナホとは全く違う熱さと柔らかさ。  そしてその中で動き回るノクスの舌は強弱をつけてリカルドの弱いところを確実についてくる。 「ん‥‥はあ‥‥ふっ…んんっ…」  大きな陰茎が苦しいのか、息継ぎで鼻からもれるノクスの吐息も脳天どころか下半身も刺激して頭にかっと血が上る。  あまりの気持ちよさに自然にリカルドの腰がゆるゆると動く。    「…ああ…お前の精力が流れ込んでくる…‥もっと…ん…腰を振れ………。はぁんっ…もっと気持ちよくなって…んん……早く……精液を飲ませてくれ……」    ペニスを咥えながらうっとりと言うノクスの言葉と、その美しくも官能的な表情、舌の動きにあおられて、リカルドの腰の動きが早くなる。 「はあ、はあ……はあ……もうい、イキそう……だ…」 「ああ、……何て美味い精力なんだ……こんなの美味い精力は初めてだ……」  ノクスも興奮しているようで、射精を促すように夢中でチュッチュと先端を吸い続ける。  じゅっと強く吸われた瞬間、リカルドの竿が震えその口内に一気に精液を放出する。  ノクスはそれを一滴も残さないように強く吸いあげ、射精が終わりタラリと首をもたげた性器を綺麗にするようにペロペロと舐め上げる。    こ、これがうわさに聞くお掃除フェラ…!  リカルドが初めての体験に感動めいたものを感じているとノクスが顔を上げる。  その顔は先ほどより赤みがさしており、真っ青だった唇も赤く、肌も艶めいている。  ペロリと赤い唇を舐める姿がセクシーで、さっき放ったばかりのリカルドの下半身がぞくりと再び騒めく。   「ふふ、すごく濃い精液だったな……。溜まっていたのか?それにしても、なかなかの美味だったぞ」 「え?!そうなのか?俺のって美味いの?さすがに自分で飲んだことねえから分かんねえけど……」 「…………さっきから思っていたが……お前馬鹿なのか?」  先ほどまでの色っぽい表情は消え、一気にノクスが呆れた顔をする。  文句を言えるくらいには回復したのかとリカルドはホッとし、ベッドに腰を下ろす。   「馬鹿とはなんだ、助けてやったのに。つうか、なんで倒れるまで魔力?がなくなったんだ?」 「……ふん、貴様には関係のないことだ」  ノクスはまだ本調子ではない体をゆっくりと起こしつつベッド横の壁にもたれかかる。  気まぐれなど起こさなければよかった。  その日のノクスはついていなかった。  夕方、変身魔法(トランス)で人間の姿に変身したノクスは街角で今日の餌である男を物色していた。  餌である男に特に好みはないが、若い2,30代の精力が一番美味い。それに清潔であることがノクスの餌の最低条件だった。  しかしその日は中々目当ての男が見つからず、ノクスは別の狩場に移動中、通りかかった工事現場で足場が崩れる事故に遭遇したのだ。  頭上から大量の鉄骨が降ってくる。  自分だけだったら浮遊魔法(レビテーション)で難なく逃げることはできたが、その場にはノクスの他に10人ほどの人間がいた。  人間など放っておけばよかったのだが、つい落ちてきた鉄骨にレビテーションを使い、その場の人間が避難するまで魔法を使い続けてしまった。  その後、魔法を目撃した30人ほどの人間の記憶を消すために消去魔法(デリート)を使い、もともと半分ほどしかなかった魔力を殆ど使い果たしてしまったのだ。  一刻も早く魔力を補充しなければと男を探して彷徨っていたところで力尽き倒れてしまった。  その後、倒れた自分の傍を数人の人間が通り過ぎていったが、声をかけてきたのはリカルドだけだった。   「ええ、なんだよ~、気になるじゃん!」 「うるさい。しかし、馬鹿でも精力は極上だ。さあ、少し体力も回復したから次は下の口でお前を味あわせてくれ」 「え!?下の口って……」 「もちろんアナルだ」 「いやいやいや、さすがにそれはちょっと……」 「アナルの方が口で摂取するより精力の吸収率が高いのだ」  そう言ってノクスは腰の小さなショートパンツに手を掛け脱ぎ始める。 「ちょ、ちょっと待てって!」    慌てて止めるリカルドの声を無視してショートパンツを脱ぐとその中から更にギリギリまで面積を小さくした黒いビキニタイプのパンツが現れる。パンツの端から覗く鼠径部がエロ過ぎてリカルドは見てはいけない気がして思わず顔を背ける。  すると次の瞬間、リカルドはノクスにベッドに押し倒され馬乗りにされていた。  腰をすべすべの両足でがっちりとホールドされていて、簡単には振りほどけそうにない。 「大丈夫だ。心配するな、私はサキュバス。人間の男と違って後孔は柔らかく自然と濡れる。女のそこと大して変わらない」 「いや……でも、さすがに今日あった奴とそういうことするのはちょっと抵抗あるっていうか……ていうか男だし………」  そのハッキリとしないリカルドの様子にイライラとしたノクスが舌打ちする。   「ちっ、グダグダとうるさいやつだな。男に抵抗があるなら、そのお前の嫁という女の姿ならどうだ?」    そう言うとポンっと音を立てて何処からともなく出てきた薄紫の煙がノクスを覆う。  そしてその煙がはけると、そこには2次元をそのままを3次元置き換えた「まじかる☆くるくる」のくるくるピンクこと桃子の姿があった。  テラテラと光るピンクの髪に顔の半分くらいを占める星の入った大きなキラキラの目、その口で食べ物が入るのだろうかと思うほど点のような小さい口に、顔の中心には小さなくの字のような三角の鼻が付いている。  また、そのパーツが収まったその頭は重さでひっくり返ってしまいそうなほど華奢な体についていて何ともアンバランスだ。  しばらく驚いた顔で見つめていたリカルドが口を開く。  「……いや、ももりんのことは大好きだけど、さすがにちょっとこれとはやる気になれねえっていうか……普通に気持ち悪いっていうか……それ、頭蓋骨どうなってんの?」  「はぁ?わがままな男だな!」  先ほどまでと同じテノールが呆れた声を上げる。  声までは変えられないようで、アニメ美少女の顔から低い声が発せられるのも違和感があって仕方ない。 「つうか、ももりんは嫁だけど別にそう言う対象じゃないっていうか、俺の女神っていうか…天使っていうか…」  もじもじとするリカルドに三次元に現れた桃子の顔がゆがむ。  「わがままな奴だな。じゃあもう少し現実に居そうな感じにすればいいんだろう?!」  再び音を立てて薄紫の煙がノクスを覆う。  煙がはけるとそこにはかなりハイレベルな桃子のコスプレをした女がいた。  ピンクの髪は綺麗にカラーリングしたような自然な色合いで、桃子のチャームポイントである大きな目も違和感がない大きさだ。  ぷっくりとしたピンクの唇に少し丸みを帯びた輪郭もとても可愛らしい。顔は幼いのに胸や尻は大きく、太もももむちっとしていて、かなりリカルドの好みだった。 「これで満足か?さあ、さっさとそのデカちんを私の尻にぶち込むがいい!」  その可愛らしい口からおおよそ桃子からは出ないであろう単語がテノールで飛び出て、テンションの上がったリカルドの頭を一気に冷やす。 「俺のももりんはそんなこと言わねえ!解釈違いです!」 「か、解釈違い…?!」 「ももりんはもっと優しくて可愛い子でそんな下品なことは言わねえし、そもそもそんなに野太い声じゃない!」 「仕方ないだろう!声は聞いたことがないし、どんな性格かなんてその絵だけで読み取れるわけがないだろ!」   「どうせ誘うなら、もっと可愛い感じで『リカルド君のおっきなおちんちん、桃子のあそこにちょうだい♡』って言って欲しい!」 「はあ?!貴様変態か?!これだからオタクと言う奴は‥‥!めんどくさい!!」    そう怒鳴ると再びポンと煙が出て元のサキュバスの姿に戻る。 「ったく、お前が我儘ばかり言うからせっかく回復した魔力が尽きてしまったではないか!どうしてくれる!」 「しょうがないだろ。いくらコスプレだからって原作リスペクトを忘れたらおしまいだ!」 「……はあ、頭痛がしてきた……こうなったら私の魅力と性技だけでお前をイかせてやる」  そう言ってノクスが床に落ちていたタオルに手をかざすと、そのタオルはスルスルとベッドを這い上がり、リカルドの手に巻き付き、ベッドに拘束する。 「へっ?」 「お前はそこに寝て、ただ快楽に身を任せて腰を振っていればいい。私がお前を絶頂へと導いてやる」 ノクスの美しくも魅惑的な悪魔のような笑みにリカルドは体を固くした。
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