第一話 サキュバス童貞を食う (4)(過激表現あり)

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第一話 サキュバス童貞を食う (4)(過激表現あり)

 ベッドに縛られ、蛇に睨まれたカエルのように固まったリカルド。  その下半身にノクスが指を伸ばす。  出しっぱなしのペニスにピンクのネイルの細い指が絡みつき、ゆるゆるとそれを扱きだす。 「ちょ…待ってくれ」 「うるさいな、口をふさがれたくなかったらおとなしくしていろ。無理やりは好みじゃない」    リカルドが慌てて止めようとすると、ペニスを握るノクスの指に力が入り、リカルドの体に緊張が走る。    そうだ、文字通りこの悪魔に急所を握られているのだ。抵抗すればあっという間に握りつぶされてしまうかもしれない。  それに自分が暴れればこの体格差だ、相手を傷つけかねない。    学生の頃、友人に軽い突っ込みで肩を叩いたときに大きなあざを作ってしまった時以来、リカルドはなるべく人相手に力を振るわないようにしていた。    ここはおとなしく快楽に身をゆだねるべきか……精液を摂取したら満足して帰ってくれるかもしれない。    少しの間我慢すればいいかとリカルドは体から力を抜く。  おとなしくなったリカルドにノクスは満足そうに笑うと、再びペニスを弄る手を動かし始める。  爪の先で亀頭をカリカリと軽く掻いたり、やわやわと優しく双球を揉む。  竿を握る強さもリカルドの好みで、先ほど放って力を失っていた陰茎が見る見るうちに力を取り戻していく。  先から出た我慢汁を指で全体に塗り広げ、そこから発せられるくちゅくちゅという水音が更にリカルドを興奮させる。 「ああ、良い匂いだ……。お前の精力は本当に濃くて美味そうな匂いだな」  手を動かしながらの恍惚の表情で舌なめずりするノクスの色っぽい顔にリカルドはごくりと唾を飲む。  ノクスも興奮している様で、リカルドの腰をホールドしている腰の下着の中心は盛り上がり、ゆるゆると前後に動かしてリカルドの足にそこを擦り付けている。その淫靡な姿が更にリカルドの頭が沸騰させる。  「えっろ……」  「ああ、早く食べたい……」    完全に立ち上がったリカルドの陰茎をつるりと撫で満足そうに微笑むと、ノクスは待ちきれないと言うように自分の後ろに手を回してTバックの紐をずらす。  そこに隠された蜜壺にノクスが指を這わせると、そこは愛液でヌルヌルと濡れており、男を迎える準備は万端だ。  腰を浮かせてゆっくりとリカルドの立ち上がった塔のような陰茎に腰を落としていく。  その先端がノクスの後孔の入り口に触れちゅっと音を立てた時。  「ちょ、ちょっとストップ!!!」  「なんだ、ここまできて往生際が悪いぞ」  リカルドが大声を出してノクスを制止する。  せっかくのご馳走を前にマテをされた犬のように、イライラとしたノクスがリカルドを睨みつける。  「その、フェラとか、手コキとかはオナニーの延長っぽいからまあ、いいかなって感じだったけど、やっぱ挿入は…そのセックス、だよな…」  「ああ、そうかもな。ただ、私にとって性行為はただの食事だ。それ以上でも以下でもない」  「あんたにとってはそうかもしれないけど、俺にとってはやっぱりセックスって好きな人とやるもんだと思うし、……その、愛の行為っていうか……」  「……の割にはしっかり勃っているようだが?」    ふっとからかうようにノクスが笑うと、腰を動かして亀頭に蜜壺を擦り付ける。    「はうっ……ぐっ……そ、その…初めて、なんだ……」  「は?」  「その、セックス……初めてなんだ……」  恥ずかしそうに言うリカルドにノクスが唖然とする。  「はあ?そんななりをして、貴様童貞なのか?」  「そうだよ!悪かったな!」    アニメのTシャツにぴちぴちのチェックのシャツ、ダサ眼鏡とファッションはかなり残念だが、リカルドの体はかなり成熟していて男らしい。  「こんな立派なイチモツを持っていて?」  「そうだよ、……何度も言わせんな!」  「普通人間のオスはある程度の歳になったら、風俗でも行って童貞を卒業するものだと思っていたが……」  「そうじゃないやつもいんの!俺はセックスは好きな子としたい派なんだよ!」  想定外の返答にノクスは純粋にその理由が知りたくなってきた。  ノクスは元々好奇心が強く、理解できない物は調べてでも答えを知りたい性分で、分からない状態は非常に気持ちが悪かった。  一度リカルドの足の上に腰を下ろす。  二人の間にはリカルドの陰茎がそびえ立っており何ともシュールな光景だ。    「付き合った相手もいなかったのか?」  「いや、まあ、いたはいたけど…」  「その相手とそういう関係にはならなかったのか?」  「この状況で聞く?!」  「私は理解できないものがあると気になって仕方ないのだ。話せ。でないといつまでもイかせてやらんぞ」  ノクスがネイルの光る指先でリカルドの陰茎をツンツンとつつく。  「うっ…」  バキバキに張り詰めた先端を刺激されてリカルドは危うく射精してしまいそうになる。  ハッキリ言ってリカルドにとってトラウマを話すのは嫌だったが、手も使えないこのお預け状態はつらい。  早く解放して欲しいと下半身も訴えかけている。    「その……高1の時初めてできた恋人とそう言う雰囲気になった時に、言われたんだよ………俺のチンポはデカすぎてキモイ。化け物みたいだって。そんなの入れたら怪我するから人とやったらダメだって」  「…………」  ぽつぽつと話すリカルドは苦いものを吐き出すような辛そうな表情をしており、さすがにノクスも茶々を入れる気にはならず、黙って聞く。    「それから、その人とはなんとなく疎遠になって……いつの間にか別れてることになってて。その後も何人か恋人はできたけど、そう言う雰囲気になった時、その時の事思い出しちまって……どうしてもできなくって。適当に誤魔化してたら「私の事女としてみてないのね」って振られて。それからだんだん女の子と付き合うのしんどくなって……」  体の中の苦いものをすべて吐き出すようにリカルドが大きく息を吐く。  「もう、無理にエッチしなくてもいいかなって。だから、もしそういう機会があるなら、初めては、好きな人がいいなー、なんて……。あ、ついでに言うとももりんみたいなロリ巨乳が好みです!」  「は?!最後のは余計だ!ったく真面目に聞いて損をした」  ノクスが呆れた顔で大きくため息をつく。    「はあ…本当に面倒くさい。これだから童貞は……。まあ安心しろ。すべて終わったら魔法でお前の記憶をすべて消してやる。だからその後、改めてその好きな相手とでも童貞を捨てればいい。だから今は何も考えずただ快楽に身を委ねろ」  疑問が解けてすっきりしたのか、ノクスは再び腰を上げ、リカルドの陰茎を後孔へと宛がう。    「いや、だからダメだって!あんたを傷つけちまう!」     本気で心配するリカルドをノクスが妖艶な笑みで見下ろす。  「私を誰だと思っている。上級サキュバスだぞ?どんなイチモツでも受け止めてやる。だからもう我慢する必要はない。お前はお前らしく、本能のままに自分を解放すればいい。私がお前を快楽の園へといざなってやろう」  その言葉にリカルドはハッと目を開く。    ももりんと同じだ……!    恋人に振られまくって落ち込んでた時、元気出るぞと友達から勧められたのがアニメの「魔法少女まじかる☆くるくる」だった。  最初は興味がなかったが、第12話「君は君らしく」でくるくるピンク桃子が「あなたはあなた。無理しなくて自分らしく生きていいんだよ」というセリフにリカルドは救われた気がした。  いつかありのままの自分を受け入れてくれる人が現れたら。本当に好きな相手に童貞を捧げればいい。そう思うと気持ちが軽くなり、救われた気がしたのだ。  それから13年、リカルドは桃子一筋だった。  動きを止めたリカルドに観念したのかと、ノクスはその昂ぶりに一気に腰を落とす。    「うぉっ!!」  いきなり陰茎を襲った熱く、柔く、濡れた感覚にリカルドが驚愕ともうなり声ともいえない声をあげる。  ノクスはさすがに苦しいのか少し眉根を寄せる。    「う……私も…こんな大きなのは初めてだ……ふふ、オーク並みだな……だが、ほら……入ったぞ」    ノクスは少し苦し気に笑うと、中に入っていることを確認させるようにゆるゆると腰を前後に動かす。  その顔がいじらしくて、リカルドの胸をキュンと締め付ける。  また、自分を包み込む初めての他人の体内は暖かく、柔らかく、リカルドの胸にじんわりと感動に似たものが広がる。  「だ、大丈夫か?」  「ああ。すぐにお前の形になじむ……。だから早くお前の精液をくれ。空腹で死にそうだ……」  煽るようにノクスが腰を前後に振る。  ノクスの中は熱くて気持ちがいい。  じっとしていられなくなったリカルドはノクスの様子を見つつ、その動きに合わせてゆっくりと腰を振り始める。  「あぁ‥‥んんっ‥‥イイ…‥気持ち……いい…‥」  気持ちよさそうにリカルドの上で腰を振るノクスにリカルドはたまらなくなり下からの突き上げを激しくしていく。  ギシギシと古いベッドの軋む音とノクスの喘ぎ声、はあはあというリカルドの獣のような荒い息が狭い部屋の中に響く。  初めての強烈な快感にリカルドの理性が奪われていく。  「はあ、はあ‥‥はっ‥‥ふんっ‥」  気持ちいい。もっと、もっとこの柔らかく濡れた場所の奥深くにチンコを突き入れたい。  その欲望がリカルドの頭を支配し、腰を強く突き上げるとノクスの体が跳ねる。  「あ、ああっんっ…!」    先ほどまでのクールな表情は消え失せ、快楽に蕩けた潤んだ目でノクスがリカルドを見つめてくる。  陰茎の上、下腹部に描かれたハートのような模様がピンク色にうっすら光り出す。  「はっ……すげえ、綺麗だな……なん、で……これ…光ってんの?」  「うぅん……サキュバスの……淫紋、はっ……精力がたまってくる…と…快感で光る……のだっ……あぅっん……」    腰の動きを止めずに尋ねるリカルドに、ノクスはそこに子種があるかのように愛し気に撫でながら答える。    「はあ…すごい……なんて強い精力………気持ちいぃ…もっと‥‥もっとぉ…」  鼻にかかったような甘ったるい嬌声を上げ、ノクスが激しく腰を振る。  パンパンと肌がぶつかり合う音が響き、さらにベッドが揺れる。  二人の男の体重にギシギシとシングルベッドが悲鳴を上げる。    「はは、…ベッド、壊れねえかな……」  笑うリカルドの腹筋の揺れがノクスにも伝わり、体内を刺激する。  リカルドの腰は止まらずノクスを更に突き上げる。  「あ、あっん…んんっ…はぁ‥‥は、はやく…早くお前の子種をくれ…私が全部…食ってやる……」  たまらないと言った感じでノクスが柔らかくリカルドを締めあげる。  「はあ、はっ…やべえ、い、イキそう…だ………」  「…あ‥‥ああ…はやく…早く中にっ…中に出してぇ……!」  ノクスの白い体を強く突き上げた瞬間、リカルドは絶頂達し、ノクスのあたたかな体内に射精する。  同時にノクスも下着の中に自分の精を吐き出す。  とはいっても男のサキュバスに生殖能力はなくトロリとした透明な愛液のようなもので、それが黒い下着を濡らしシミを作る。     「ああ、すごい‥‥こんな美味い精液ははじめてだ…」  一滴も残さず搾り取るようにゆるゆるとノクスが腰を振る。  初めての快感に放心状態のリカルドは余韻に浸りながらなされるがままに揺さぶられていた。   「はあ、はあ…何か……すごかった……」  「どうだ?気持ちよかっただろう?」  汗で湿った髪を耳に掛けながらノクスがリカルドの顔を覗き込んでくる。  うっすらと額にかいた汗が室内灯を反射し、ピンクに上気した頬がすごく綺麗だな、とリカルドは見惚れた。    「卒業おめでとう」  優しく微笑むノクスの顔は天使のように美しくリカルドの胸がドキリと高鳴る。  いやいやいや、男だし!つうか悪魔だし!  しかも俺の好みのももりんの対極みたいなビジュアルだし!  ……多分初めてだからだな。初めて補正ってやつだ!  リカルドは騒めく心を落ち着ける。   「だが、まだまだ満腹ではない。……お前も、まだ元気が有り余ってるみたいだしな」  ノクスがゆさっと腰を振るとの後孔入ったままのリカルドの陰茎がふたたびビクンと硬さを取り戻していく。    「……もう、止めねえから、腕、離してくんない?」  タオルで縛られたままの腕を見せるリカルドにノクスは少し考える。  まだ魔力は回復しきっていない。この体格差だと押さえつけられれば自分は負けてしまうかもしれない。  どうしようかと悩んでいるとリカルドが真面目な顔でノクスの目を見る。  「次はちゃんとあんたを抱きたい。乱暴なことはしねえから」  その顔は真剣で、嘘をついてるようには見えない。  ノクスはタオルにかけた魔法を解き、リカルドの腕を解放する。  自由になったリカルドは体を起こし、汗だくの桃子Tシャツを脱ぐと対面座位でノクスと向かい合う。  その肌はしっとりと汗で濡れており、鍛えられたぶ厚い筋肉が輝いて見える。  こうやって見ると本当にいい体をしてるな、とまじまじとノクスはリカルドの体を眺める。    顔も、まあ、ちょっと締まりのない感じはするが、中の上か上の下、と言ったところか。  ただ、ファッションで0点どころかマイナスになってるが。    分析するノクスの手をリカルドが握り、じっとノクスを見つめる。    「でも、その……まだ初心者だからさ。……いろいろ教えてくれる?」  こいつ、見た目に寄らず天然のたらしだな…ノクスは面白そうににやりと笑うとリカルドの首に腕を絡めて体を引き寄せる。    「ああ、授業料は高いぞ」    そして二人は空が明るくなるまで食事を続けたのだった。
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