プロローグ

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初恋は実らない、なんてよく聞くセリフだ。 実際に私の初恋も実らず、初めて恋をした幼なじみは私じゃない別の人を選んだ。 彼への想いを未だに消すことができず、想い続ける私を嘲笑うように神様はいたずらに試練を与える。 いや、これは私に巡ってきたチャンスなのかもしれない。 だけどそんな私の淡い期待は一瞬で砕かれる。 私の目を見て冷たく微笑む彼はあの頃の優しい面影はなく、そんな別人のような雰囲気の彼を私は知らない───。 「俺は誰でも抱ける」 そう言ってどこか寂しそうに消えてしまいそうな儚い笑みを浮かべるあなたを私は強欲にも支えたいと思ってしまった。 「紬希もそうされたい?」 これは心を閉ざした彼が最愛を見つけるまでの物語───。
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