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そういう時の糖分はいつもの数倍増して美味しく感じる。
私の隣でチョコを口に運び噛み締めながら味わう真夏ちゃんが可愛い。
「紬希ちゃん俺にもちょうだい」
「あ、うん。もちろん。要くんもしんどそうだね」
「いやー締切近づいてるとまぁこうなるよね」
黒髪を無造作にセットさせている要くんは私と同い年のCGデザイナーで同期としても仲良くしている。
楽しい時も辛い時も一緒に仕事を続けてきたため戦友のような人だ。
私たちが座るデスク以外の場所では同じようにクリエイターたちが目を充血させながらパソコンとにらめっこしている。
既に見なれた光景だが私たちの仕事は華やかに見えてすごく地味だろう。
「ありがとね紬希ちゃん。元気出た」
「そーお?よかった。いつでも言ってね」
「うん助かるよ」
ふわっと微笑んだ要くんは自分のパソコンへと戻る。
私自身もパソコンに向き直り作業を始めていると椅子ごと真夏ちゃんが私に近づいてきた。
不思議に思い手を止めて真夏ちゃんの方を見ると何か話したそうにソワソワしている彼女の目が合う。
思わずクスッと笑ってしまうと、私の考えが伝わったのか真夏ちゃんは少しだけ恥ずかしそうに顔を赤らめた。
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