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「っぁ、えっと、とりあえず、座っていただいて……」
「承知した」
しどろもどろになりながら、目の前の椅子を震える手で指し示す。
白皙の麗人は僅かに俯きながら従った。伏せられた長い睫毛もまた、一切の色を寄せ付けない白さを誇っている。
麗人の所作は、椅子に座る動きのひとつですら美しかった。意志の強い瞳と凛々しい眉、均整の取れた体つきは紛れもなく青年のそれであるのに、秀一はまるで天女が現れたような錯覚を覚えてしまう。
「ええと、本日はどういった症状で……」
言いながら、彷徨う視線を抑えられない。不躾と分かりながらつい観察するような視線を向けてしまう秀一に、麗人は「ああ」と自身の髪をひと房つまんだ。
「これは気にしないでくれ。先天性の疾患だ」
「あ……その、瞳も……」
「そうだ」
にこりと麗人が微笑む。その笑みに圧倒されて秀一が口を噤むと、麗人はおもむろに袖をまくり上げた。
「この傷を診てくれるだろうか」
「これは……」
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