序章

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 少女の行動を肯定するような言葉をかけられたのは、いつぶりだろう。朧げな記憶を辿ったが、それらしい思い出は一つも無かった。  知らず知らずのうちに、男の手をぎゅっと握り返す。ひくりと喉を引き攣らせる少女を、真紅の双眸が静かに見つめていた。
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