3 明かされる秘密

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 怖くないと言えば、嘘だけど。乗り越えなければいけないことなら、全力でサポートさせていただきます。それが私らしいと思うから。  南美ちゃんは少し黙ってやがて「兼定」とお兄さんを呼んだ。 「ねえ、こんな彼女(ひと)、初めてじゃない? 兼定を『跡取り』としてじゃなくて、ちゃんとひとりの人として見てくれてる彼女なんて」  私の知る限り初めてだよ……。と感動されてしまった。  え、元カノさんは全員そんなだったの? あと南美ちゃん、お兄さんの元カノを全員把握しているのですか。一体何人いたのかな……。べつにいいけどさ。 「私、二人には絶対幸せになってほしい。なにかあれば全面的にサポートするから。とにかく、明日。お父さんには私から伝えておきます。時間はまた連絡するから。兼定、あんみつちゃん。健闘を祈ります」  自分だとばかり思っていたサポート役はどうやら南美ちゃんで、私はがっつりスタメンだということをこの時ようやく理解した。
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