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育てることができなかったので
拝啓、勇者ギルフォード様
このような手紙を書くことをお許しください。
絶対にしてはならないこと、人として許されないことをしていることは百も承知しております。
ですが、我々にはどうしてもできませんでした。
私達には、命を預かるだけの能力もなければ、その資格も最初からなかったのです。どうすればいいのかわからず、このまま取り返しがつかないことになってしまうならいっそ、と皆様にこの子を託すことにしようと決めました。
ギルフォード様が、元の異世界からいらっしゃったことは聞いています。
現世の日本という国では、何匹も犬を飼っていたこと。小さなお子さんがいる保育士さんであったことも承知しております。
きっとギルフォード様なら、この子を立派に育ててくださることでしょう。
無責任、お任せすることをお許しください。
どうか、よろしくお願いします。
匿名希望より
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