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2,赤い羽根、白い羽根
ふふっ、さっきの話、面白かった?
頭の良い子は気づいてるのかな?
二人は、仲良く空を飛んでたよ
ちゃんとお仕事してて偉いなぁ…
私も頑張らなくっちゃ!
ん?どうしたの?
…あ、お仕事って何か?
気にしないで、こっちの話だから
それよりさ、さっきの話が好きなら、こんな話はどう?
【赤い羽根、白い羽根】
これは、ある少年のお話でございます
昔々、と言っても、それほど昔ではございません
大きな戦がありまして、都が丸々平地になったときでありました
ある少年が、都の焼け跡を歩いておりました
戦で親をなくし、寝る場所も食べるものもなく、都を彷徨って居たのでした
ふらふらと頼りない足取り、しかし、その目には憎しみの炎が燃え盛り、少年の足を進ませているのでした
少年の手には、赤い羽根が握られています
いや、違います
真っ白だった羽根が、飛んだ血によって赤く染まっているのでした
人の血が、親しい人の血が染み込んだ羽根を持ち、少年は只、歩きます
突然、少年の体が傾ぎました
それもそうでしょう
とっくに少年の体は限界を迎えているのです
しかし、少年は立ち上がります
なぜなら、少年には天使がついているからです
少年は只、歩きます
見えぬ敵のため、ただひたすらに歩きます
少年は、死ねないのです
少年には、天使がついているから
その、真っ赤な羽根を、捨てるまで、少年は、死ねないのです
けれども、少年はその羽根を捨てることが出来ません
今はもう居ない、親の形見だからです
それは、少年の親が、最後に残した、思いでした
「息子だけは生き残って欲しい」
親の願いの結晶を持ち、少年はまた、歩いていくのでした
いつか、美しい白い羽根を見るために___
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