女は腐るほどいる by平田大輔(41)・会社役員

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 今はスマホと手帳を見比べ、来週の予定を立てている。  その時一件のメッセージアプリが通知を知らせ、谷川と表示された。 「谷川しつこいな、散々悪態吐いたのに懲りないんだから。  暇だし相手してやるけど、貧乏人に支払わせんの、俺の良心が痛むんだよな」  既に良心などないだろう平田の方が年下なので、支払いは全て谷川に甘えている。嫌なら去るはずなのだ。  それでもこうして連絡が来るのだから、同意の上と考える。 「まさか愛とか思っていないよな、オェッ。愛を育てるってか」  胃液が逆流した。「世の中チョロい女ばっか、みんな愛に飢えすぎだ」  舐め腐った口調のまま笑い声を上げ、三人掛けソファに寝転がった。  妻は出かけているが、外食・外泊はお互いさまなので気にしない。  平田に必要なのはあくまで、若くて可愛い奥さんを娶ったなので、友人たちに賞賛さえされれば、妻が不在ばかりでも指摘しない。  そりゃ当初思い描いていた若い嫁さんのイメージとは大幅に違ったが、世間の俺像は守られている。  穴埋めは他の女たちにさせればいい、愛を育てたい淑女たちに任せる。  この世に女は、腐るほど存在するのだから。  歓喜の表情で開いた口。左手の甲を下唇に当てると、うえっ、うえっと笑い声を上げる平田は、ロリ画像の検索に励んでいる。 「育たないでくれよ。汚れのない、清い今の姿のままで」  本当の平田は若い女の子を通り過ぎ、幼女・少女が趣味だ。
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