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今はスマホと手帳を見比べ、来週の予定を立てている。
その時一件のメッセージアプリが通知を知らせ、谷川と表示された。
「谷川おばしつこいな、散々悪態吐いたのに懲りないんだから。
暇だし相手してやるけど、貧乏人に支払わせんの、俺の良心が痛むんだよな」
既に良心などないだろう平田の方が年下なので、支払いは全て谷川に甘えている。嫌なら去るはずなのだ。
それでもこうして連絡が来るのだから、同意の上と考える。
「まさか愛とか思っていないよな、オェッ。愛を育てるってか」
胃液が逆流した。「世の中チョロい女ばっか、みんな愛に飢えすぎだ」
舐め腐った口調のまま笑い声を上げ、三人掛けソファに寝転がった。
妻は出かけているが、外食・外泊はお互いさまなので気にしない。
平田に必要なのはあくまで、若くて可愛い奥さんを娶った俺なので、友人たちに賞賛さえされれば、妻が不在ばかりでも指摘しない。
そりゃ当初思い描いていた若い嫁さんのイメージとは大幅に違ったが、世間の俺像は守られている。
穴埋めは他の女たちにさせればいい、愛を育てたい淑女たちに任せる。
この世に女は、腐るほど存在するのだから。
歓喜の表情で開いた口。左手の甲を下唇に当てると、うえっ、うえっと笑い声を上げる平田は、ロリ画像の検索に励んでいる。
「育たないでくれよ。汚れのない、清い今の姿のままで」
本当の平田は若い女の子を通り過ぎ、幼女・少女が趣味だ。
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