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「ホームページを見て来ました。
天国に旅立った大切な人と再会することができると書かれていました。」
僕が『天使の館』のホームページのことを話すとその老紳士が、
「はい、そのとおりです。
信じられないかと思いますが、本当の事です。」
と教えてくれた。
さらにその老紳士は、
「申し遅れました。
私はここの館長の『神崎(かんざき)』と申します。」
と自己紹介をしてくれた。
僕は半信半疑のままだったけれど、神崎さんの話を聞くことにした。
神崎さんは、僕を奥のテーブルに案内してくれて、ソファーに座るように案内してくれた。
そして僕に1杯のコーヒーを出してくれて、天国に旅立った人と再会することについて話を始めた。
神崎さんの話では、生前悪事を働いて地獄に行った人とは再会できないということで、このことはホームページにも書かれていた。
天国に旅立った人を探すことができるということで、探すのに時間がかかるという話だった。
会いたい人が天国にいて探し当てたら、20分程度会って会話を交わすことができるという話だった。
神崎さんの話は僕には信じられないような話ばかりだったけれど、麻緒と会いたいという気持ちが強くて、麻緒との再会のお願いをすることにした。
僕は神崎さんから提示された書類に自分の氏名、年齢、そして麻緒の氏名、亡くなった日、亡くなった時の年齢などの情報を記載して提出した。
再会するにあたって神崎さんが、
「相手の方と話ができる時間が20分と限られていますので、話したいことを考えておかれた方がよろしいかと思います。」
とアドバイスしてくれた。
今の時刻は11時30分で、2時間程度時間が欲しいということだったので、少し時間に余裕をもって14時にお願いすることにした。
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