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第一章 初めての乗馬! その前に……?
耳には小さく、鳥の歌声が聞こえる。
優しい風が、頬を撫でる。
藤原 昴(ふじわら すばる)は、7回目のタームリープから目覚めた。
「あ、まただ……」
そして鼻には、独特の臭いが。
馬の汗と、糞の臭いだ。
昴が瞼を開くと、目には馬場の光景が広がっていた。
いつも、ここから再生されるのだ。
昴の運命は。
これも、もう慣れた。
「6回目、だもんね」
乗馬をやってみたいな、と昴は考えていた。
『名門・藤原家の子息たるもの、乗馬くらいできなくちゃね』
表向きには、そう喋っていた。
自分の心の奥底にある、本当の気持ちから目を逸らして。
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