麦穂の乙女はゆっくり歩く ―被害妄想特化型ネガティブ武装女子につき華々しい転生ライフはご勘弁ねがいましたのに!―

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「大津麦。この度あなたは、二十五年の生涯に幕を閉じました」  ああ、やっぱり――。  わたし……死んだんだ。  ことがあって、そのまま……。 「しかし幸運なことに、あなたはわたしと出会えましたね」  幸運かどうかは、わたしの感じ方次第なので、勝手に決めないでほしい。  はっ。すみません。ちょっと心がささくれだって、偉そうな口聞きました。心の中でですけど。  すみません、あの……痛いお仕置きとか、されますか……? 「あなたをこれから、第二の人生にご招待いたします。わたしは変換の女神。死に際の後悔を、次の人生に持ち越すことのないよう、力に変換して授けましょう」  カランカランと、鐘が鳴る。  聞き覚えのある、そしてわたしを苛む鐘の音だ。  ああ、やっぱり幸運なんて大嘘だ。これが大当たりだって言うなら、きっとこれから起こることもろくでもないことに決まっている。
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