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瞳が海の色に似ているから、「シー(Sea)」。
紅毛碧眼のドイツ原産のポメラニアンでありながら、日本原産の柴犬に似た凛々しい顔立ちと顔つきに一目惚れしたがゆえ、シー(バ)君でもありました。優雅に長く伸びる毛をトリミングで短く刈り込んでもらう「柴犬カット」も、実によく似合ったのです。
時に、映画「もののけ姫」の主人公のアシタカ少年のようでもありました。いえ、成犬となりシニア犬となって以降は、神々しさを感じさせることも少なからずありました。そのたびに必ず、私は口にしたものです。
――シーシー神様だ。帰った森から、いや昇った天から我が家に降りて来て下さった!
妻や娘も真顔で頷きました。
猪神の乙事主のように目許が汚れていては凛々しさも可愛さも損ねてしまうと、私は目ヤニや涙焼けを見つけるたびに拭き取りました。嫌がりつつも、気持ち良さげだったシー君。
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