04.研修

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「ごめんなさい、休憩も取らず、もうお昼になっちゃうね?」 彼女が、申し訳なさそうに言う。 みんな、そんなこと忘れてた。 「ちょっと確認事項もありますので、皆さん休憩を済ませたら、またこの部屋に一度戻って来てもらっても良いですか?」 そう言って、先に部屋を出て行く彼女。 パタン、とドアが閉まったタイミングで、俺たちは、はーー、と息を吐く。 「わたし、雛乃さんのファンになっちゃった!!」 興奮した面持ちの、真野。 あんな女性になりたーーい!と、叫ぶ。 「彼氏とか、いんのかなぁ?」 と、川野。 すかさず、真野が言う。 「あったり前でしょ!?右手薬指のリング、見なかったの?あれ、ココグランジュのペアリングだよ」 ??となる、男達4人。 ……はぁ、と溜息をつく真野。 「あんた達、学生の頃はそのツラだけでモテてたかもしれないけど、社会人になったら通用しないからね? ココグランジュはね、オンナノコが今いっちばん憧れる、ジュエリーブランドなの! ココグラのペアリングなんて、オンナノコの夢のまた夢!何種類かあるけどあのタイプは20万くらいだね」 レディース の方だけでね?と。 ちなみにシンプルなメンズの方も、そのグレードだと15万近くするらしい……しかもペアリングだから、ペアでしか買えないらしい…… 「あれだけの良い女、捕まえたかったら、それくらい当然!あんたらなんて、相手にもされないわよ?」 フフン、と勝ち誇ったように笑う真野。 「てことで、トイレ行ってくるわ」 言いたいだけ言って、去って行く。 残されたメンズ、ちーーーん。
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