517人が本棚に入れています
本棚に追加
突然の講義の任務を終え、ホッとする。
皆良い子達で、助かった。
本部長が選抜しただけあって、さすが皆頭が良く回転が早い。
とてもやりやすかった。
無事終えられたのは、あの子達のおかげ。
しみじみ思いながら更衣室に向かう廊下を歩いていると、
「未結ちゃん!!!」
由良さんが、叫びながら向かって来た。
「ランチ!付き合いなさい?
もう、ハレクラニでランチバケットとコーヒー買っておいたから!
さぁ、今すぐ秘書室へ行くわよ?」
そのまま、強制連行。
•••
「────さて。
洗いざらい、報告してもらいましょうか?」
「っ、」
えーと、もちろん。あのこと、ですよね……?
「れ、蓮さんが。
自分が言うから、私からは何も言わなくていい、と」
『俺しばらくみゆんちいるから』。
ん?どこかで聞いたようなフレーズ…
「たった!たった、この14文字よ?」
あちゃーー。やっぱり、そうなったかぁ……
「これでも、私との会話文字数、最高記録だけどね?
いいわ、再現してあげる。今朝の、私と久我さんの会話!
私『おはようございます』
久我 無言。ぺこっ、と頭は下げる。
久我『……一哉は?』←4文字
私『今日午前中は商談です。お昼は戻って来れるか、商談次第ですね。ちなみに午後も、別の商談です』
久我『じゃ伝えて』←6文字
久我『俺しばらくみゆんちいるから』←14文字。最高記録更新。
以上!
この後は、何を聞いても、ウンともスンとも言わず!
無言でカタカタやり始めて、私のことは完全無視!
途中、こいつしつこいなぁ、みたいな視線を投げられただけ!」
キーーッと、悔しがる由良さん。
由良さんもある意味、蓮さんに馴染んで来たよね…?負けてないよ??
「だ、か、ら、未結ちゃん?」
す、すごい気迫…
私は観念して、事の始終を話した。
だいぶ、ぼかしたけど。
だけど、由良さんにとって、同居の経緯はほとんど興味がなかったようだ。
「え、じゃあ、付き合ってるわけではないの?」
そこが知りたかったらしい。
「はい、あの、子犬と飼い主みたいな関係?で懐かれているだけで、男女の、そういう関係は、全くありません。」
だよね?
あれは、スキンシップだもんね?
「へーーー。やっぱり、相当変わってるね?なんだぁ、つまんないの」
途端に興味を無くしたようだ。
「ははっ。まぁ、もし何かあれば、報告しますから。
あ、ところで由良さんは、犬、飼ったことあります?」
「あるよー。今も実家にいるよ?
すんごい可愛いーーの。
私が帰ると、千切れるんじゃないかってくらい尻尾振って来てさぁ。
飛びついて来るんだよね。抱っこがだーいすきなの。
ベロベロ顔中舐められるのはちょっと困っちゃう時あるけど、可愛くって仕方ないんだよぉ」
嬉しそうに話す、由良さん。
そうだよね、やっぱりそんな感じなんだよね?
ひとり納得し、ランチバケットを頬張った。
最初のコメントを投稿しよう!