45人が本棚に入れています
本棚に追加
お風呂に一緒に入って、カズマくんに“後処理手伝って”もらうのは、想像以上に恥ずかしかった。
「や、やっぱりいいよ、自分でする」
振り向いて言ったけれど、
「何で? いいって、エンリョしないで。オレのワガママだし」
遠慮と言うか、そうしたいのに。
グイグイ押されて、バスタブの中に立たされた。
向かい合う場所にカズマくんも入ってくる。ずっと見ているのに、お風呂の照明のせいか、まだ汗できらきらした裸が、ボクにとってはバカエロくて仕方ない。
カズマくんがシャワーノズルを外して、蛇口もひねってくれた。ボクはその場に突っ立って、水がお湯になるのを待つしかなかった。
「い、いつもこんな事してるの?」
思い切って聞いた。
「こんな事?」
聞き返されて、ますます恥ずかしくなる。言わなきゃ良かったと思うけど、無言で待っているのも変な気がした。
「その、後処理……って言うか」
「あー。いや、うーん、別にいつもってワケでもねーかな、相手次第」
「そ、そうなんだ。モテそうだもんね、カズマくん……」
目を逸らすと、シャワーを持ったまま顔を近付けてきた。
「ね、やっぱ遊んでそうって思ってるっしょ」
ギクッとした。
「あっ、いや、その、経験人数、多いんだろうなーとは……」
しどろもどろに言い訳をするけれど、顔を上げた拍子に見えた奥二重の目は、何だかさみしそうだった。
「そりゃアンタよりはね」
ちょっと冷たい声で言われて、怒らせてしまったのが分かった。
「だ、だよね……何か、ごめんね」
めちゃくちゃ気まずくて、下を向いて謝るしかない。足にかかるシャワーも、なかなか熱くなってくれない。
でも、ふっと影が落ちてきた。
顔を上げると、キスされた。
「んっ」
声は出てしまったけれど、申し訳なくて、口を開けられなかった。
何でだろう。怒らせてしまったはずなのに。考えていると、ぺろっと唇を舐められた。
「別にいいけど……実際そんなでもねーかもよ?」
最初のコメントを投稿しよう!