第3話:妃選び(3)

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第3話:妃選び(3)

「どうしたんだよ、ナターリヤ?」 「今、ジェジェットの姿が見えた気がしたの?」 「ジェジェットだって?あいつがどうしてこんなところに?」 「とにかく行ってみましょう」 今度はナターリヤが逆にハンナの手を引いて、小走りに走った。 そこは路地の角に当たっていて、更に細い路地が伸びていた。その奥はまるで洞窟の細い入口のように真っ暗だった。 「こ、この中に入るのかよ?」 強気なハンナが、ゴクッと唾を呑み込んだ。 基本的に物静かなナターリヤだが、一度好奇心の虫が動き出すと、恐怖など吹き飛んでしまうのだ。 ナターリヤは躊躇(ためら)いのない足取りで、真っ暗な細い道の中に入っていく。 「あっ、ちょっ……ちょっと待ってよ。ナターリヤ」 ハンナが慌てて、その後を追う。
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