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耳が聴こえない人にとって 美しく書かれた文字は 天使が書いた文字のように見える
眼が見えない人にとって 美しく朗読する声は 天使のささやきのように聞こえる
彼は二年前の二月から木曜日の午後に月三回、書道教室に通っている。
皇居の歌会始に応募する歌を毛筆で提出しなければならないので通い始めた。
十名しか入選しないのだが、選者が思わず選んでしまうような文字で書きたいと毎年模索している。
彼は今年の九月に区の図書館が主催する「読み聞かせボランティア活動のための講座」を受けた。幼児に絵本を読み聞かせるためである。三回の講習を終えたのだが、まだ読み聞かせデビューしていない。
彼は講習を受けに行った図書館で「障害者サービス協力員募集(音訳者養成講習)」というチラシを見つけ、応募した。
音訳者は眼が見えない人のために音声資料を作成し録音する。
講習は十四回、木曜日の午後に行われる。書道のレッスンと重なる場合は、午前中に書道のレッスンを受けることにしている。
書道で美文字を磨き、音訳者として美声を磨こうというわけである。
美文字と美声 兼ね備えたら 鬼に金棒
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