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家族にも、幼なじみとも、島民たちとも二度と会えない。悲しい現実が急に押し寄せてきた。
「うっ、うっ」
桐杏は声に出して泣く。ここが桐杏の本当の家なら、阿村か君火か、はたまた璃社が、どうしたの、と駆けつけてくれたところだ。ここに桐杏をなぐさめてくれる者はいない。余計に孤独感でいっぱいとなる。
「だめ。どんな時も希望を持っていないと」
桐杏は涙をふいて、すぐに曲を演奏した。音楽は人の心を癒すためにある。それは桐杏自身にも当てはまっていた。
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