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夜伽者は屋敷に住めないといっても、皇族が身分の低い人間の家に訪れることはない。桐杏は役人に屋敷まで案内される。
役人はとある部屋の前で立ち止まった。そこは皇子と夜伽者が会う時専用の部屋のようだ。
「身につけているものを全部脱げ。脱いだ衣類はそこに置いておけ」
桐杏は役人に言われたとおりに、生まれたままの姿となる。そうしておくのは、夜伽者に皇子への奇襲を確実にかけさせないようにするためだろう。
その後、ひとりだけ六畳の部屋に入らされた。そこは布団がひと組敷かれているだけ。桐杏は布団の上に座って、寧丸がやって来るのを待つ。ついに、慰み者となる時が来た。全裸による寒さと恐怖で、桐杏の体が震える。あまり意味がないとはわかっていても、両腕で胸元を隠した。
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