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二人で顔を見合わせて笑い合う。その時ピンポーンと呼び出し音がなった。
「あ、お父さんとお母さんかも」
悠希がボソッと呟くからびっくりしてしまう。
「 映画観てくるんでしょ。帰ってくるには早過ぎない?」
「いや、さっき梅ちゃんが帰ってきたよーってお母さんにLINEしたら、映画観ないで帰るって返信きたんだよね」
「ええっ!」
慌ててインターフォンまで走って通話ボタンを押すと、にこにこ顔の両親がモニターに映っていた。その笑顔を見ていたら、多幸感の塊みたいなものが、胸のなかで破裂しそうになって苦しくなる。涙がまた溢れてきそうになったからぐっと堪えた。
「もう……映画観てくれば良かったのに」
涙でめちゃくちゃになった顔をティッシュで慌てて拭きながら、玄関までダッシュする。この瞬間私は心を決めた。
あのクソ男とは絶対に別れる。そしてこの先なにがあっても歌い続けてやる。私の声を天使の歌声だと言う自称お姉さんと、この家族に誓って。
了

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