ギルド辞めます

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ギルド辞めます

 俺はマルスという勇者スキルを所持する冒険者パーティーのリーダーから突如剣技での物理攻撃しかできないという理由でパーティーから追放される。  だがこれは表向きの理由で奴がサラという美女の女剣士を俺の代わりに加えた事で真の理由を確信した。  それは俺が奴の作ろうとしているハーレム作りに邪魔だったからだ。サラという剣士は魔法が使えるそうだが、それだけで俺が総合的に劣っているとは思えない。そもそも奴にはマジシャンのメイという恋人がいて、ヒーラーのユリと浮気している。これに加えそのサラともいい関係になろうと……いや、ひょっとしたらもうなっているかもしれない。  いくらなんでも俺をパーティー登録から外しているなんて、マルスは女癖が悪いが俺の事は幼馴染、そして重要な戦力として重宝してくれると思ったが、こんな裏切り行為をするなんて、だが勇者スキルを持つあいつに表立って逆らえばあいつを支援しているギルド、そして国からすらも断罪されかねない。  だから俺は俺で自分へのダメージを最低限に抑えなくてはいけない。そう考えた俺はまずある場所へ向かった。 「あ、リッキー様、あのパーティー登録を外れたとお聞きになりましたが、いかがなさいますか?」 「……あの、冒険者資格を返却したいんですが」 「資格の返却ですか?リッキー様の腕なら必要としてくれるパーティーもあると思いますし、見つかるまでソロ活動をされても良いと思うのですが……」  勇者スキル持ちのマルスから追放された、この事で俺の方に問題があるのではと思って、俺を加入したいと考えるパーティーがどれほどあるか疑問だし、ソロ活動にしてもマルスにくっついてとはいえ、俺はSランク冒険者になっているから簡単なクエストは受けられないし、剣技だけでやり抜くのは無理そうだし、俺はもう冒険者を辞める事としたのだ。 「いえ、もう決めた事ですから……」 「そうですか、では冒険者資格は受け取ってギルドの登録からも外させていただきます……」 「それじゃあ、お世話になりました、失礼します……」 「リッキー様……お元気で……」  お元気でか、マルスはともかく、他の奴らですらそんな言葉すら投げかけなかったな。とにかくこれからどうするかだな、この街に滞在し続ければマルス達と顔を合わせそうだし、他の冒険者からも嘲笑されそうだな。  故郷の村に帰るにしてもマルスの機嫌を損ねたと思われて責められそうだし……、よし、俺の事が知られていない村まで行くか。
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